私と半身が動かなくなった父との手紙

施設に入れてることに悩んでいるあなたへ

話が面白い人の共通点

社長へ
拝啓

一時外泊も間もなくで、そろそろ食べたいものを考えてる最中かと思います。とにかく時間はありますので申し訳ありませんがもう少しお待ちください。

 

色々と考えてはいるのですが、行く末としては考えなければいけないのは順番としてばぁさまのほうが優先です。

 

もう90歳ですからね 

 

もちろん記憶力の低下や話がかみ合わないことも増えていますが、俺の中で一番話していて、「きつい」と思うこともあります。

 

それは「場所と人物の相関図」を詳しく話すことです。

 

たとえば今行ってる老健の話

 

「そこに通ってる〇〇さんは○○から来てて、あの○○の先に家を建てて住んでる。その○○さんは○○さんの弟で、あーなんだっけな?そうそう○○に勤めている○○さんを嫁にもらって、子供が二人いる、その子供は○○に勤めている。その勤めている人っていうのは○○の子供なんだ」

 

 

で本題に入る

 

 

もうわかるかと思いますがこの詳しく話されたところで○○の部分なんて心からどうでもいいんですよね。もはや本題すら忘れているときありますからね。しかもところどころ忘れているのですが、それすら「別に思い出さなくてもいい」と思っていますからね

 

しかも大体2回以上繰り返し、ヒートアップしてくるともうぐちゃぐちゃの相関図で最早歴史を紐解いている感覚に陥っているんですよね

 

んで我慢できなくなって

 

 

 

その場を去る

 

 

いやーわかるんですよ。ちゃんと最後まできいたほうがいいのは… わかるんですけど、とてもじゃないがじっと聞いてられないんですよね。

 

しかも話し方に「世界で一番知ってる」 もしくは 「世界で一番正しいことを言ってる」的に話すから余計に否定したくなるんですよ

 

 

 

玄関閉めても窓から話してきますからね

 

 

 

そこで気が付いたんですよ 話が面白い人の共通点があるってこと

それは「つっこみを入れられる人」です

 

ばぁちゃんの場合話しているのは漫才でいう「ボケ」ではなく一人でやる「漫談」もしくは「落語」に近いです。

 

しかし「つっこみ」というのは相手が話してから、引き出してからの

 

「なんでやねん」

 

ここに大きな違いがあります。引き出してから~の 話してから~の が大事です。ちなみにばぁちゃんから俺に話を引き出そうとすることは99パーありません (笑)

 

ということで5月8-9日は色々聞きます。そして俺も今後のことを話したいのでおいしいものをしこたま食べて、いろいろなことを話したいと思いますのでいい「つっこみ」を期待しています。

 

 

敬具 

息子より